2001年9月26日

<米国>
The New York Times on the web
・米調査会社カンファレンス・ボードによれば、失業率の増加や株価の低迷から、テロ攻撃以前の9月初旬から消費は弱含みであり、消費者心理は冷え込んでいた。エコノミストの多くは、8月頃よりマイルドなリセッションに入ったと認識している。景気のスローダウンが始まったのは、投資が減少しはじめた14ヶ月前であるが、夏までは堅調な消費が下支えしていた。
・毎日のように9月の売上高の落ち込みを示すデータが発表されているが、ウォルマートやKマートなど日用生活品を扱うディスカウンターの中には、売上げの安定が見られるところも出てきている。
・カンファレンス・ボードが25日に発表した9月の消費者信頼感指数は97.6と、8月の114から16.4ポイント低下した。この下落幅は90年10月(イラクのクウェート侵攻時)以来の落ち込み。この調査は全米5000世帯を対象としたアンケート調査であり、9月分については85%の世帯がテロ以前に回答を寄せている。「テロの影響も大きいが、雇用不安と株価低迷も消費者心理冷え込みの大きな要因」と分析。

<欧州>
FT. com
・26日にIMFが発表した最新の世界経済予測(World Economic Outlook)によれば、2001年の世界経済成長率は2.6%と前回(4月発表)の3.2%から下方修正。報告ではテロによる影響を数値化してはいないが、「同時テロによりダウンサイドリスクは更に高まった。」と警告。
・2001年の日本の成長率はマイナス0.5%と前回の0.6%から1ポイント以上も下方修正された。2002年には0.2%のプラス成長になると予測。ユーロ圏も内需が不振であることから、今年の成長率は1.8%と0.6ポイント下方修正。米国の成長率は1.3%で、前回発表時から0.2ポイント縮小。
・オニール・米財務長官は26日、米国経済は「近い将来に経済成長率は3%以上に戻る」と表明。

<アジア他>
Gulf Daily News(Bahrain)
・26日より船舶保険料が上がるため、バーレーンでは物価上昇が懸念されている。テロ攻撃以降、既存の保険契約破棄に関する7日間の通告期間が26日終わる。攻撃により保険会社は200億ドルの損失を被ったとされる。(うち、ロイド15億ドル、ミュンヘン再保険9億1000万ドル、スイス再保険7億2000万ドル)
・再保険引き受け団は湾岸を通常の戦争カバー対象地域から除外する決定をしており、このため用船料が上昇することになる。これは輸入品価格に転嫁され、最終的には消費者が負担することになる。
・ハティーブアスリー社専務は、湾岸内に入港するタンカーの保険料は、1日当たり2万ドルに達すると予測している。一方、バーレーンに中東本部を置くヒース・ランバート社(世界第6位の保険ブローカー) のラブ支配人は、保険料は入港期間により異なり交渉になると述べた。同氏は、湾岸および隣接する海域が除外区域になるため、保険料は船体価格の0.5%〜0.25%になるとみている。これは、5000万ドルのタンカーがバーレーンを30日間寄港する場合、保険料が2万5000ドルから12万5000ドルになることを意味し、同時に貨物に対する戦争保険料も価格の0.0275%から0.05%に上昇することになる。

Khaleej Times (UAE)
・テロ攻撃後、金価格の上昇で、小売販売が落込んでいる。
・金の小売価格は、11日のテロ攻撃前までグラム当たり30〜30.5ディルハム(1ドル=3.67ディルハム)であったが、その後32.75ディルハムに上昇、販売は約半減している。
・小売店は、金価格が数日で37ディルハムに上昇するとみており、当面販売が回復する見込みはないとみている。小売店は卸売り業者より少なくとも1ヵ月の代金支払い猶予を受けており、業者は未払い分の在庫を返品し始めている。ある業者は販売の低迷でさらなる金融逼迫に直面することを危惧している。