◆ITIの日本産業連関動学モデルの概略


 1.概要
  • 米国メリーランド大学経済研究所(INFORUM:レオンティエフ博士の高弟であるアーモン教授が主宰)の協力・指導を受けて、当研究所(ITI)が構築したモデルで、JIDEAと名づけている。
    *JIDEA:Japan Inter-industry Dynamic Econometoric Analysis
      参考:INFORUMとは(PDFファイル)およびINFORUMウェブサイト
  • 当該モデルは、1990年から2008年までの産業連関表(以下、I-O表)および関連マクロ・データをベースとして、2025年までの約15年を超える長期(*)の産業・経済の姿、各産業部門の数値を動学的(ダイナミック)に推計(I-O表を時系列的に延長推計)するもの。
    *一般的に、モデルが推計できる予測期間は、ベースとなるデータの期間と同じ程度とされており、データが1990-2005年の15年間である場合には、予測期間は2006年からの15年間位が限度となる。
  • また、これに為替変動や減税等の外的要因を加えることにより、その影響・効果等を推計するものである。
 2.JIDEAモデルの基本構造の主な特徴
  • 73産業部門からなるI-O表がモデルに内蔵されていることから、従来のマクロ・モデルが十分反映できなかった産業間の相互波及効果が整合的に測定できるのに加え、産業連関分析では導入できない消費・生産・投資・雇用等の経済活動が相互に影響を与え合うという経済構造の仕組みがモデル内に組み込まれている。そのため、経済要素(生産、所得、消費等)間の波及効果(例:生産増→雇用増→可処分所得増→消費需要増→生産増)を含む推計が可能であり、推計は実体経済の動きにより近いものとなっている。
  • JIDEAモデル概要

  • この相乗的な波及効果を含む新たなI-O表を毎年積み上げ計算し、(時系列的に推計する)、予測期間中の部門別推計が可能となることから、将来予測はより精緻なものとなる。
  • 部門別の就業構造を明らかにするため、産業部門別雇用データをモデルに組み入れ、産業部門別の必要労働力を部門別国内生産額に対する雇用係数(=労働生産性)から推計し、人口、労働年齢人口、労働力率(すべて外生)を元に、日本の労働力需給を予測している。
  • INFORUM加盟(米・英・独・仏・中国等の16カ国・地域)の各国モデルを総合してBTM(Bilateral Trade Model)により推計された海外部門データ(世界市場の対日需要、世界市場価格等)が組み入れられていることから世界経済の動きや各国モデルと整合性ある推計・分析が可能である。

  • 参考:BTMの概要(PDFファイル)

 3.研究成果および活用事例等

 4.季刊「国際貿易と投資」掲載論文等

 5.関連サイト等

(参考) 産業連関表と産業連関モデルの相違点

  産業連関表 JIDEAモデル(産業連関モデル)
データ 1年間の産業連関表 15年間の産業連関表
可能なこと ある年の産業間の波及効果測定
<例>
・自動車産業の生産→他産業の生産
ある年の複合的波及・相乗効果
<例>
・生産→雇用→賃金→需要→生産
・消費→生産→投資→生産・・・→賃金→所得→消費
・需要→生産・輸入→価格→消費

産業部門別投入・産出量、価格変化の中長期推計

産業部門別推計を元にした中長期経済予測